苫小牧の食文化の中には、まったく違う生い立ちを持ち、独自に進化した2つのカレーメニューがあります。それはカレーラーメンとホッキカレー。2つを「とまこまいWカレー」と呼びます。
とまこまいカレーラーメンのルーツは、1965年に苫小牧で開業したラーメン店「味の大王」にあります。初代店主高橋一郎は、大衆に人気のカレーライスとラーメンを融合したカレーラーメンを生み出しました。現在は苫小牧市だけではなく白老町、安平町、厚真町、むかわ町に広がり、多くの個性的なカレーラーメンが出現しています。
苫小牧のホッキ漁は明治初期から営まれ、2000年から22年連続でホッキ水揚げ量日本一を誇っています。漁師めしから波及し、一般家庭でも安くて豊富に出回っていたホッキを、炊き込みご飯やカレーにして食べました。ホッキカレーは家庭から生まれ進化し、今では多くの飲食店でメニュー化され、苫小牧名物としてマスコミに登場するまでになっています。
生い立ちの違う2つのカレーメニューは、苫小牧の2大ソウルフードと言われるまでになり、定着しています。
2022年9月、苫小牧観光協会はカレーラーメンとホッキカレーの2大ソウルフードをWカレーと呼び、有効な観光資源として「Wカレーの街とまこまい」を宣言しました。
同時に苫小牧市・苫小牧商工会議所・とまこまいカレーラーメン振興局も一体となり、苫小牧を盛り上げるべく賛同の声を上げました。
これからの苫小牧の食文化を語る時、合言葉「Wカレーの街とまこまい」が道しるべです。地域がますます活性し、多くの人が行き交う未来予想図を描いていきましょう。